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  • スクウェア・エニックス
  • 発売日:2027/04/08
  • 価格:通常版:9900円(税込)
    リメイクシリーズトリロジーエディション:1万1330円(税込)
    プレミアムエディション:1万4278円(税込)
    プレミアムプラスエディション:1万6478円(税込)
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[インタビュー]「FFVII リベレーション」はなぜ広大な世界を作ったのか。空へ広がる探索,ハイウインド,ウェアシステムについて浜口直樹氏に聞く
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印刷2026/09/10 21:00

インタビュー

[インタビュー]「FFVII リベレーション」はなぜ広大な世界を作ったのか。空へ広がる探索,ハイウインド,ウェアシステムについて浜口直樹氏に聞く

画像ギャラリー No.002のサムネイル画像 / [インタビュー]「FFVII リベレーション」はなぜ広大な世界を作ったのか。空へ広がる探索,ハイウインド,ウェアシステムについて浜口直樹氏に聞く
 2026年9月3日に配信された「State of Play」で,2027年4月8日の発売が発表された「FINAL FANTASY VII REVELATION」(以下,「リベレーション」)。「FINAL FANTASY VII REMAKE」プロジェクト三部作の最後を飾るタイトルだ。

 こちらの記事(プレイレポ)で詳しく伝えたとおり,発売日の発表に先駆けてメディア向けの試遊が行われた。

 そのなかでとくに強く印象に残ったのが,世界の探索だ。
 ハイウインドで世界を飛び回るだけではない。チョコボによる移動やパラシュートを使った降下など,上下方向を使った探索が加わったことで,「FINAL FANTASY VII REBIRTH」(以下,「リバース」)で歩き回った場所も,これまでとは違った景色を見せてくれる。

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 三部作の最終作で,前作の広大なフィールドを再び用意する。それだけでも大仕事だが,単にマップを残しただけでは,新しいゲームとしてそこを探索する理由にはならない。

 開発チームはこの問題にどう向き合ったのか。そして,フィールド探索,ハイウインド,クエスト,ウェアシステムという今回の新しい遊びを,どのように一つのゲームとして組み上げているのか。

 「ファイナルファンタジーVII リメイク」シリーズのディレクターを務める浜口直樹氏に話を聞いた。

ファイナルファンタジーVII リメイクシリーズ ディレクター・浜口直樹氏
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4Gamer:
 今回の試遊は探索をメインに体験できましたが,そこでまず印象的だったのが,フィールド探索が上下方向に広がり,より立体的になっていたことです。
 それによって,「リバース」で旅慣れたグラスランドも,大げさな話ですが,別の場所のようにも見えますよね。

浜口直樹氏(以下,浜口氏):
 私も「リベレーション」の変化は,「空間を使って探索する」というところが一番分かりやすいと思います。

 実は私自身も,最初に試作をしていたときに「グラスランドって,こんなふうに見える角度もあったんだ」ってなったんですよ(笑)。
 チョコボでいろいろ飛び回ったり,パラシュートで降りたりすると,「リバース」では基本的に横方向に歩いていたグラスランドが,違った景色として見えてくる。
 「こんな景色のグラスランドもあるんだ」と,自分自身が改めて思わされたんですよね。

 そこで,既存のエリアであっても,こういう新鮮さと新しいコンテンツを用意できれば,十分に新しい魅力として引っ張っていけると思いました。

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4Gamer:
 そこは今回かなり気になっていたところです。
 三部作の完結編とはいえ,メインストーリーの軸だけを考えれば,「リバース」に登場したすべての場所へもう一度行く必要があるわけではないですよね。
 制作規模を考えれば,ストーリー上必要のない場所をある程度切り捨てるという判断もあり得たと思います。そのあたりは開発の最初の段階からかなり意識されていたのでしょうか。

浜口氏:
 最初はシナリオ側も結構気を使ってくれていたんです。
 これは極端な例ですけど,たとえばウェポンが現れてゴールドソーサーが破壊されたとか,ゴンガガが沈没したとか,何か理由をつければ,行ける場所を減らす方法はいくらでもあると思うんです。

4Gamer:
 「行けない理由」は作れますよね。

浜口氏:
 そうなんです。でも,それでは「FFVII」のファンやプレイヤーの皆さんは納得しないと思うんですよね。
 「ゴンガガがなくなりました」と言われたら,ザックスの故郷として大切に思っている方からすれば,「そんな理由でなくしてほしくない」と思うでしょうし。

 もちろん工数的なことも含めて,どうするべきかはいろいろと考えました。ただ,そうやって一つ一つ考えていった結果,「これはもう真面目に“すべて作る”しか選択肢がない」と覚悟しました。

4Gamer:
 ゲーマーとしては嬉しいですし,信用できる決断だなと思います。ただ,そう決めた瞬間に,かなり大変なことになりますよね。
 それに,マップ自体を残したとしても,「リバース」にあった場所がそのまま存在しているだけでは,新作でそこへ行く意味がなくなってしまいます。

浜口氏:
 ええ。「『リバース』のマップは用意します。でもそこには何のコンテンツもなく,ただ存在しているだけです」となったら,それはそれで「ゲームの遊びに関係ないものを,なんで残しているんだ」と言われると思うんです。

4Gamer:
 そこにあるだけでは,再訪する理由にはならないですよね。

浜口氏:
 だからこそ,ある以上はそこに遊びも入れないといけない。
 それも,作るのであれば「リバース」とは違ったゲーム体験,違った感覚を与えないといけない。
 そう考えると,ただそこにあるものとして簡単に作ることは許されない。「ここは逃げられないな」と思いました。

4Gamer:
 リメイクプロジェクトは三部作で一つの作品ではありますが,もちろん,それぞれが1本のゲームとして成立しないといけないわけですよね。
 オリジナル版が持っていた1本の旅としての感覚を残しながら,各作品を1本のゲームとして成立させる。そのバランスを取るのは相当大変だったのではないでしょうか。

浜口氏:
 そこは逆に,私だからこそやりやすいというか,得意な部分なのかもしれません。
 私はもともとエンジニア出身なので,「これって,こういうふうにすればなんとかなるよね」という技術的な方法と,比較的セットで議論ができるんです。

 たとえばプランナーやシナリオ系のディレクターの場合,もちろん人によりますが,技術的に実現できるかどうかが分かる前に,まず創作のほうが走ることがありますよね。
 それで,実際に作ろうとしたら,現場のプログラマーから「いや,そんなの無理ですよ」と言われる。

4Gamer:
 そこで「技術的に難しい」と言われると,「エンジニアがダメと言うならダメなのか」となってしまいますよね。

浜口氏:
 ええ。「技術的に無理です」と言われたとき,技術屋ではない人だと,そこを覆すのは難しいじゃないですか。
 でも私の場合は,そこをプログラマーとある程度ロジカルに議論できるわけです。「これはできません」と言われても,「では,このやり方ならいけるんじゃないか」と話せる。

 そういう意味では,もしかするとプログラマーにとっては嫌な相手なのかもしれません(笑)。

4Gamer:
 たしかに(笑)。

浜口氏:
 もちろん,技術的に難しいものを作るときに,プログラマーへ無理に「これを実現するから,とにかくやれ」と言うわけではありません。
 できない理由が人手の問題なのであれば,ディレクターとして「じゃあ人を増やそう。その人の予算は自分が用意するから」という話までできます。

4Gamer:
 技術的な方向まで含めて,「こういうふうに一緒にやっていけば実現できるよね」というところを,ゴールが見えるまで議論できると。

浜口氏:
 ええ。エンジニア側の意思決定と,ゲームデザイン側の意思決定。その両方を持っているからこそ,こういう技術的な問題をゲームデザインに組み込むときの速度が比較的速い。
 そこは,もしかすると自分の一番の強みなのかもしれません。

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4Gamer:
 現場感覚も含めて判断できるわけですね。
 そう考えると開発スピードも気になります。「リバース」もかなり大規模なゲームでしたし,オリジナル版を知る身としては,「ここからさらに世界が広がるわけだよな」と,個人的には「これは次が出るまでかなり時間がかかるのでは」と思っていました。

 それが1作目から2作目までと同じくらいの間隔で,かなり早いペースで開発が進んでいる印象があります。「リバース」の開発段階から,完結編の方向性や技術的な検証はかなり進めていたのでしょうか。

浜口氏:
 そうですね。このプロジェクトって,やっぱり多くの人たちがすごく待ってくださっているじゃないですか。しかも三部作の完結編です。
 長く待たせて熱量が落ちてしまうより,なるべく早く,できるだけ早く出すことがファンの皆さんにとってもいいと思っています。

 これはビジネス的な観点でも同様ですね。スクウェア・エニックスとしても,少しでも早く発売することのメリットは大きいと思っていました。

4Gamer:
 一方で,急ぐためにクオリティを落とすわけにはいかない。

浜口氏:
 もちろん,そのためにクオリティを諦めるということではありません。
 クオリティを維持したうえで,なるべく早く出さなければいけない。それは私に与えられた責任だと思っていました。

 ゲームの設計や方向性については,「リバース」が終わったタイミングですでに自分の中にかなりありました。なので「リバース」が終わって,「リベレーションの開発だ」となってから1年後くらいには,ものすごく粗い状態ではありますが,ゲーム全体がかなりつながった状態まで進んでいました。

 今回は比較的迷わなかったというか,「もう絶対にこれでやり切る」という判断がすごく早かったんです。

4Gamer:
 シナリオについても,かなり早い段階から固まっていたのでしょうか。

浜口氏:
 「リバース」が終わって「リベレーション」の開発が始まった時点で,野島(一成)さんから初稿をほぼ上げてもらっている状態でした。

 そこからゲームデザインまである程度落とし込んで,「今回はこれで作る」と一気にスタートを切れた。
 そこは今回,開発がうまくいった大きな理由だと思います。

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4Gamer:
 今回の試遊用ビルドは,「ここを見せたい」という部分がすごく明確だった印象があります。
 上下方向に広がった探索だったり,しっかりストーリーが用意されたサブクエストだったりと,広大な世界を探索するゲームとしてのプレイ感がかなり押し出されていました。

浜口氏:
 はい。今回のメディア向けビルドは,そこを意識して作っています。
 そこが気になると言ってくださるのは,私としても嬉しいですし,まさに狙っているところです。

 我々がいつも「FINAL FANTASY」でメディア向けの試遊を用意すると,カットシーンをたくさん見せたり,世界観をどんどん見せたりする構成が多いと思うんです。
 でも今回は,とにかくゲーム体験に触れてほしかった。ウータイのメイン進行も体験できますが,そこは正直,最後に少し触れてもらえればいい。それよりも,とにかくフィールドを歩き回ってほしかった。

 我々としても,今回はそこに作品としての価値や魅力があると思っています。

4Gamer:
 たしかに正直な話,「FFVII リメイク」シリーズについては,「こんなにきれいな映像です」というビルドをご用意いただいても,「もっと違うところを見たい!」ってなると思います。「そこがすごいこと自体は1作目と2作目で分かってるから!」って(笑)。

 今回驚いたのはフィールドもそうですが,まずハイウインドで「本当にこの世界を飛び回っている」と感じられたことです。
 各エリアがあの規模のまま,一つの世界としてつながっているわけですよね。

浜口氏:
 はい。ストーリー進行によって,すぐには自由に行き来できないエリアもありますが,ハイウインドを手に入れた時点から広い世界を飛び回り,行ける場所にはパラシュートで降りていけます。

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4Gamer:
 ハイウインドの内部も,思っていた以上に広く,そして作り込まれていて驚きました。
 拠点として戻って何かをする場所にはなるのだろうと思っていましたが,想像以上に広くて,中を歩き回れる場所もかなりありました。

 これだけ作り込まれているということは,単に戻ってきて何かの機能を使うだけではなく,イベントなどもいろいろ用意されているのでしょうか。

浜口氏:
 ハイウインドは,ゲームにおける「ポータル」という位置づけです。
 ワールドマップを探索して進んでいくと,ハイウインドの中が賑やかになったり,乗組員との会話が変わったりします。

 プレイヤーが体験したことについて,実は誰かが話していることもある。そんな場面もあって,ゲームの途中で「ちょっとハイウインドに戻りたいな」と思ってもらえるようなものを目指して作りました。

画像はState of Play配信映像より
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4Gamer:
 効率よく進めるなら,ファストトラベルで目的地を次々回るという遊び方もあると思います。
 一方で「FFVII」は,旅をしている感覚も大切な作品ですよね。そういう意味で,ハイウインドが単なる移動メニューではなく,帰ってくる場所として存在しているというのは,かなり意味がありそうだと思いました。

浜口氏:
 ありがとうございます。
 実はこの試遊の前から,ハイウインドについては「飛んでいるのは見たけど,中はちゃんと作られているの?」と聞かれることが結構ありまして。

 私はまず,ハイウインドでフライトすることや,ワールドマップを飛び回れることがすごく重要だと思っていたんですけど,「中もちゃんと作っている」というところを,皆さんかなり気にしてくださる。
 「あそこって,やっぱりみんな引っかかるんだ。ちゃんと作ってよかった」と思いました(笑)。

 もちろんプレイスタイルは人それぞれなので,まったくハイウインドの中に戻らず,「俺はワールドマップだけでいい。フライトできればいい」という人がいてもいいんです。

 ただ,我々としては,ワールドマップでの体験がハイウインドの中にも反映されるようにしていますので,ときどき戻ってもらえたら嬉しいなと思っています。

4Gamer:
 もう一つ,フィールドを歩いていて感じたのが,今回も「リバース」と同じく,ミッションやクエスト的なものがかなり散りばめられていることです。
 今回のメディア向けビルドにも,ちょっとした時間で終わるものから,1時間近く遊べるような長めのものまでありました。

 メインストーリーとは別に少し重めの物語を扱うものや,一つのエリアだけで完結せず,複数の場所をまたいで長期的に展開していくものなどもあるのでしょうか。

浜口氏:
 一つのクエスト自体が長編になっているものもあれば,連作としてつながっていくものもあります。

 そして「リベレーション」のクエストの特徴として,一つのクエストであっても攻略方法が分かれていることが挙げられます。
 入り口の段階で選んだものによって,実はストーリーから結末までまったく違うものになる場合もあります。

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4Gamer:
 試遊でも,最初に「パーティの誰と進めるか」を選ぶ場面がありましたよね。
 その選択次第でストーリーが変わるのかなとは思いましたが,クエストによっては結末まで変わると。

浜口氏:
 ええ。一度こちらを選んで終わりではなく,「もう一回やり直して,別のほうも見てみたい」と,どこまで思ってもらえるのか。そういう遊びにもつながればと思っています。
 たとえば友人同士やSNSなどで,「自分はこういう選択をして,こうなった」というコミュニケーションに広がって,コミュニティの盛り上がりにつながってくれたら嬉しいですね。

4Gamer:
 せっかくこれだけ変わったフィールドがあるのだから,あちこち歩き回りたい。でも一方で,三部作の最後なので「メインストーリーがどうなるんだ」と,どんどん先へ進みたくなるとも思うんです。
 その両方を成立させて“寄り道”をしてもらうために,どのようなことを意識していますか。

浜口氏:
 そこは野島さんや鳥山(求)さんも含めて,いろいろ調整をお願いしています。
 ものすごくシリアスな状況のときに,急に「じゃあサイドコンテンツをやってください」と言われても,プレイヤーのテンションがついていかないことってあるじゃないですか。
 なので,そうならないようにメインストーリーの展開も調整しています。

 たとえばクラウドたちの感情としても,「ここまで来た。この先へ行ったらしばらく戻ってこられないかもしれない。だから今は少し準備をするときだ」と思えるようにする。
 サイドコンテンツへ振るタイミングでは,メインストーリー側でも,そういう感情の動線を丁寧に表現するよう調整してもらっています。

4Gamer:
 システムから「この先へ進む前にクエストをやっておいたほうがいい」と言われるのではなく,クラウドたち自身の感情によって,プレイヤーも「じゃあ今のうちに少し世界を回っておこう」という気持ちになれると。

浜口氏:
 そうですね。それが理想です。

 ここは「リバース」のときからの私のゲームデザイン,設計上のポリシーでもあるんですが,このリメイクシリーズでは,よくあるオープンワールドゲームのように,物語を進めたことで「このクエストはクローズしました」となることは,あまりやりたくないと思っています。

 もちろん,そういうゲームデザイン自体を否定するつもりはありません。
 でもこのゲームの場合,それがあると「メインストーリーを進める前に全部終わらせないと,遊ぶ機会を失うかもしれない」とプレイヤーが思いますよね。

4Gamer:
 はい。そう思った瞬間に,結構強い強制感が出てしまいますね。

浜口氏:
 だから「リバース」もそうでしたし,「リベレーション」も同じです。
 すべてのクエストについて,遊ぶ機会を失わないことは絶対に保証しています。どのシナリオ進行度でも遊べるようにしています。

 なので,本当にプレイヤーが「今はメインを進めたい」と思ったときは進めればいい。
 逆に「今はちょっとサイドを触りたい」と思ったら,そのときにサイドコンテンツを遊べばいい。

 そこは自分のポリシーとして,今回も貫いています。

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4Gamer:
 バトルやキャラクター育成の新要素であるウェアシステムについても聞かせてください。
 最初に触ったときに感じたのは,歴代「FINAL FANTASY」シリーズのジョブのような仕組みだなということです。
 歴代シリーズには,ジョブごとにスキルを覚えていき,別のジョブに変えても覚えた能力を使えるものがあります。最終的にそれらを自由にセットできる,いわゆる「すっぴん」が強くなるような仕組みもありました。

 今回のウェアシステムは,ウェアを装備しているあいだだけその能力を使えるものなのでしょうか。それとも,ウェアで習得した能力がキャラクター自身に蓄積されていくのでしょうか。

浜口氏:
 そういう意味では,「全部のウェアを開放したら,最終的にすっぴんが最強になる」というデザインではありません。どちらかというと,そのウェアになったときに能力がつく仕組みですね。

 ただ,ここには面白い仕組みがあります。
 これはバトルディレクターの遠藤(皓貴)から「絶対にこうしたい」と言われた部分で,私も「そのポリシーならそれでいい」と納得したものなんですが,たとえばクラウドで戦士を強化したとします。一方で,ティファは黒魔道士を強化しましたと。

 普通にキャラクターごとに成長が分かれていると,あとから「クラウドを戦士から黒魔道士に変えよう」と思った瞬間,「でもクラウドの黒魔道士は育ってないじゃん」となりますよね。
 そうなると,システム上はいつでも切り替えられると言っても,結局プレイヤーは切り替えなくなってしまう。

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4Gamer:
 せっかく選択肢があっても,「こっちは育っていないから」と,それまで使っていたものに固定されてしまいますね。クラウドは戦士のまま磨き,ティファは黒魔道士の役割を任せるというふうに。

浜口氏:
 そうなんです。それではせっかくの仕組みがもったいないなと思いました。
 今回,キャラクターはある程度プレイヤーに自由に選んでほしい。そしてウェアも,適材適所で切り替えながら自由に遊んでほしいという考えがあります。

 そこで,各キャラクターが持っているウェアのスキルツリー情報は,全員で共有するようにしました。
 つまり,ほかのキャラクターで黒魔道士を強化しておけば,クラウドが黒魔道士になったときにも,その強化を受け取れます。

 基本的には,いつキャラクターを変えても,いつウェアを切り替えても,そこで不利益が生まれないようにしています。とにかく,プレイヤーの皆さんが切り替えやすくしたかったんです。

4Gamer:
 なるほど。「ウェア」という名前の通り,“着るもの”に成長が蓄積されていて,それを誰が着るかは自由というイメージなんですね。

浜口氏:
 「ウェア」については面白い話があって,ここは最初,私と遠藤でイメージがかなり違っていたところでもあったんです。

 普通,こういうウェアやジョブのような要素は,ゲーム進行のどの段階で開放するかを考えるわけですね。
 たとえば最初はクラウドが戦士のウェアを持っていて,途中で黒魔道士が開放されて,後半の強敵を倒した報酬として召喚士のウェアを手に入れる,みたいな。

 私も最初はそういうイメージで,「じゃあ,どのタイミングでどれを開放しようか」と考えていました。そうしたら遠藤から,「ウェアは初期段階で全部渡してほしい」と言われたんです。

 これは「ええ?」ってなりました(笑)。

4Gamer:
 たしかに,こういう仕組みだと段階的に開放されていくイメージがありますね。

浜口氏:
 そうですよね。私も「せっかくこれだけコストをかけて作るのに,いきなり全部渡してどうするの」と(笑)。
 でも遠藤としては,これは報酬として集めるものではなく,「好きなキャラクターを,好きなウェアでカスタマイズする」ことを最初からやらせたいという考えだったんです。

 最初にクラウドが戦士のウェアしか持っていなかったら,「自由に選べます」と言っても,その時点でプレイスタイルが固まってしまって,結局みんな変えなくなってしまうわけですね。

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4Gamer:
 先ほどもそんな話が出ましたが,とにかく最初からプレイヤーに自由に選択してほしいということですね。

浜口氏:
 ええ。そういうポリシーがあったので,「開発コストはものすごく高いけど,じゃあやろう」と。
 それで4章のタイミングで,全キャラクターの全ウェアをプレイヤーに渡すという決断をしました。

4Gamer:
 そこはかなり思い切った作りですね。
 キャラクターごとの能力として固定されるタイプだと,どうしても「クラウドなら戦士系だよね」という方向に寄っていきます。逆に,全員がすべてを覚えて最終的に同じように強くなる仕組みだと,キャラクターごとの個性が薄くなってしまう。
 今回のお話を聞くと,そのどちらでもなく,キャラクター本来の特徴を残したうえで,着せるウェアによって役割を変えたり,尖らせたりしていくものなんですね。

浜口氏:
 今回,私と遠藤が実現したかったことの一つが,まさにそこです。

 もともと「FFVII」は原作もそうですし,「リメイク」「リバース」も含めて,キャラクターごとのロールがある程度決まっていますよね。

 それ自体を崩してしまうとキャラクター性がなくなってしまうので,そこはダメだと思っています。でも,そのロールが決まっているがゆえに,「3人のパーティを決めてください」と言われると,実は選ぶメンバーがある程度決まってきてしまうんです。

 今回は,そこをもう一歩崩したかった。
 本当の意味で,好きなキャラクターを選んでほしいんです。

 だからこそ今回は,最初からすべての選択肢をプレイヤーに渡して,自分の好きなカスタマイズで挑んでもらう形で進めました。
 最終作のシステムとして,そこは本当にうまくまとまったと思っています。

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4Gamer:
 それこそ過去のシリーズ作品でも,何周か遊ぶうちに「今回はこのキャラクターをこの役割に尖らせよう」と,自分なりにパーティを作る遊び方ができるタイトルがありました。
 今回のウェアシステムは,プレイヤーが自分の中でやっていたそういう遊びを,ゲーム側がシステムとして後押ししてくれるような印象があります。

 最後に,いよいよ発売日も発表されました。三部作の完結編を待っているファンへ,現在の開発状況も含めてメッセージをお願いします。

浜口氏:
 まず,ようやく発売日を発表できたことを非常に嬉しく感じています。
 それと同時に,やっぱり責任感も感じています。

 開発自体はオンタイムで進んでいて,現在は最後の作り込みをしている段階です。そこをしっかりやり切って,すごくいい手応えで作品が仕上がりそうです。
 三部作の最終作であり集大成として,自分自身が納得できる形でお客さんに届けられると思っています。

 本当に多くの方と一緒に,「リベレーション」の発売,そしてプレイすること自体を楽しみたいと思っています。
 とくに「三部作が全部揃うまでプレイしません」と言っていたファンの方も多くいると思いますが,ついに揃うタイミングが来ましたので,ぜひ手に取ってください(笑)。

4Gamer:
 (笑)。発売までまだ時間があるので,1作目からプレイする時間はありますね。

浜口氏:
 ええ。まだ「リメイク」や「リバース」をプレイしていない方には,今から遊んでもらって,「リベレーション」の発売を一緒に迎えられると嬉しいです。

 「FFVII リメイクシリーズ」自体はもちろんですけど,「FINAL FANTASY」そのものも一緒に盛り上げていただけたら本当に嬉しいです。よろしくお願いします。

4Gamer:
 ありがとうございました。

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