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[インタビュー]「マビノギモバイル」はいつでも入れる身近なファンタジー世界。devCATの代表&ディレクターに聞く,モバイルならではのこだわり
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印刷2026/09/12 10:00

インタビュー

[インタビュー]「マビノギモバイル」はいつでも入れる身近なファンタジー世界。devCATの代表&ディレクターに聞く,モバイルならではのこだわり

 ネクソンは,オンラインRPG「マビノギモバイル」iOS / Android / PC)の2026年内の日本サービス開始を予定し,現在は事前登録を受け付けている。

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 メディア向け体験会や,東京ゲームショウ2026への出展発表などで,少しずつ日本サービスに向けた動きが見えてきた本作だが,今回4Gamerでは,開発陣にインタビューを行う機会を得た。
 マビノギの生みの親の1人であり,開発のdevCATの代表であるキム・ドンゴン氏と,マビノギモバイル開発ディレクターのイ・ジンフン氏に,本作が目指しているものを聞いた。

devCAT代表のキム・ドンゴン氏(右)と開発ディレクターのイ・ジンフン氏(左)
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4Gamer:
 本日はよろしくお願いします。
 「マビノギモバイル」が発表され,韓国のゲームショウG-STARに映像出展されたのが9年前になります。いつ頃から動いているプロジェクトなのでしょうか。

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キム・ドンゴン氏(以下,キム氏):
 G-STARで初めて公開したのが,開発から1年になります。その時点で,ゲームシステムはほぼできていました。

4Gamer:
 ものすごいスピード感ですね。当時から基本的な設計ややりたいことは,ずっと変わっていないということですか?

イ・ジンフン氏(以下,イ氏):
 はい。最初は企画書を作って,開発許可を得るためにそこから3か月でプロトタイプを作りました。

4Gamer:
 3か月!? そこからよく映像出展までいきましたね。

イ氏:
 最初に公開した映像は,MMORPGということで常に人がいる様子や,マビノギといえば欠かせないダンスと染色,羊毛を刈ったり熊と戦ったりといったシーンなどを見られるようにしました。

2017年に公開されたマビノギモバイルのイメージ
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4Gamer:
 そのころにやろうと思ったけど,まだできていないことはあるんですか?

イ氏:
 ほとんどないです。ベースはできていて,ディテールに長い時間がかかりました。

キム氏:
 プロトタイプの段階では,今のようなスケールの大きなゲームにするつもりはなかったんですよね。

イ氏:
 公開から3年後にサービスを想定していましたからね。

キム氏:
 もともとは,完璧なMMORPGというよりもマルチプレイRPGだったんです。当時は,今のモバイルゲームのようにテンポ感の速いゲームを目指していました。しかし,当時プロトタイプをネクソンに見せたところ,これは投資すべきだとなり,MMORPGの大きなプロジェクトとして作り込むことが決まりました。

4Gamer:
 結果として,想定の倍以上の開発期間になったと。
 ジンフンさんは,ゲーム業界にはもともとアート関係で入った人なんですよね。

イ氏:
 そうです。

4Gamer:
 それがどうして,マビノギモバイルではディレクターに?

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イ氏:
 開発にあたって,一番マビノギを感じさせるストーリーを考えられるのが私だったというのが理由です。だからこそ,私が考えていたシーンやビジュアルを作ればいいので,プロトタイプもすぐできました。
 最初はほぼすべてのことを担当していましたが,規模が大きくなって,代表(キム氏)が総括として参加してくださることになりました。

キム氏:
 といっても,私が参加したことで,完全に役割が分担されたわけではありません。私はあくまでも,原作者としてドラマを作る立場です。

4Gamer:
 とはいえ,ドンゴンさんとしても「ここは外せない」という部分はおそらくありましたよね。

キム氏:
 最初から決めていたのは,このゲームは縦画面でも横画面でも自然にプレイできなくてはならない,ということです。
 もともとマビノギは,みんなと話すのが大事なゲームです。それがモバイルになったとしても,ここだけは絶対に妥協できません。ですから,人と過ごすときは縦画面,戦闘のときは横画面にできるというのはこだわっています。

イ氏:
 ほかのゲームでは,横画面から縦画面に切り替えたとき,見えていた画面がカットされることが多いです。マビノギモバイルで自信を持っているのが,切り替えたとしても,見ていた情報がすべて問題なく把握できることですね。

4Gamer:
 しかも,スムーズに切り替わりますよね。
 開発体制としては,ドンゴンさんが大事なことを決めて,実装するのがジンフンさんですよね。ジンフンさんは2004年の入社とのことですから,お2人は相当長いお付き合いになります。それだけ長いことやっていて,ドンゴンさんの理念をゲームに落とし込むにあたって,揉めたりはしないんですか?

キム氏:
 一緒にいる時間が長すぎて,考えたことがないですね(笑)。
 新卒のころからずっと見ていますし,普段から開発だけでなくゲームも一緒に遊ぶことが多かったので,相性は良いんじゃないかな。

イ氏:
 2人で夜中までゲームしましたね。話さなくてもだいたい分かる関係です。代表が「こういうシステム」って言ったら,「あのゲームですね」って実現できる。アイデアがどこから来ているのかが分かりますから。
 マビノギモバイルも,代表が目指している方向性を生かして開発してきました。最初に参考にしたのがマビノギの企画書です。このなかには,マビノギに入っていない要素も書かれています。なので,マビノギモバイルにはこの内容を全部入れたいという気持ちで挑みました。

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キム氏:
 マビノギモバイルの開発にあたって作ったのが,この本です。社内で配っています。
 私達が作るゲームにはこういうシステムが入っていますよ,戦闘やクラスや生活はこういう風に設計していきますよ,というのが書かれています。

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イ氏:
 フルスペックのMMORPGを目指すのに,新しく入った人にどんなゲームかを説明するのが大変だったので,こういう本を作りました。いつでも確認でき,質問しなくても理解できるように,分かりやすい内容でできています。

4Gamer:
 マビノギぐらい長く続いているIPだと,熱量の高い超コアなファンができるじゃないですか。すると,マビノギモバイルに対して「マビノギはこんなことしないでしょ」みたいなことを言われることもあると思うのですが,その場合はどう受け止めるんですか?

キム氏:
 サービスを開始するまで,既存のファンの皆さんにどう思われるかは,とても心配していました。
 実際にマビノギを楽しんでいる方々からは,違うという意見と,ここがいいという意見,どちらもいただいています。これは,結果的にはよかったと思っています。

4Gamer:
 違うと言われても構わない?

キム氏:
 マビノギは今もサービス中ですし,マビノギにはマビノギの方向性があります。一方で,マビノギモバイルにはまた違う方向性がありますから。

4Gamer:
 すべてが同じである必要はないと。
 シリーズのタイトルとしては「マビノギ英雄伝」などもありましたが,あれらはドンゴンさんにとってどういう立ち位置なのでしょうか。

キム氏:
 「マビノギ」というタイトルは,「吟遊詩人たちの間で伝承された歌」を意味しています。同じ事件が起きたとしても,それを歌にする吟遊詩人によって,内容が少しずつ変わってくる。共通した事件や世界観はあるけど,それをどう語っているかが違う。そんな立ち位置になっています。

4Gamer:
 以前,2019年のNexon Developers Conferenceでドンゴンさんが登壇した(※)とき,マビノギモバイルは「当時マビノギが作り出そうとしたものを,現在の基準で表現し,未来につなげるプロジェクト」とお話しされていました。そもそも,マビノギで作ろうとしたものとは,なんだったのでしょうか。

※Nexon Developers Conference 19のキーノート「お婆さんが聞かせてくれた『マビノギ』開発の伝説」より。マビノギの開発の思い出を振り返る講演で,ナオのデザインは「銀河鉄道999」のメーテルをイメージしているなど,興味深い話がたくさんあった。

キム氏:
 プレイヤーが自身を特別なものだと思えることです。これはマビノギを作るときに,私が一番最初に書いたことでもあります。
 この世界で,自分が特別な存在だと感じられなければならない。そして,画面に映っているキャラクターが自分だと感じてもらわなければならない。これらを妨害するものは絶対に入れてはいけない。こうした方針は,マビノギモバイルでも変わりません。

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4Gamer:
 逆に,当時やりたくてもできなくて,マビノギモバイルで実現したことはありますか?

キム氏:
 ありますね。例えば3Dグラフィックスは,マビノギではキャラクター1つに128×128ピクセルしか使えなかったんです。それに比べて,マビノギモバイルはいろいろな表現ができるようになりました。

イ氏:
 当時,G3のカットシーンや演出は全部私が担当していましたが,あれも大変でしたね。当時のMMORPGでカットシーンがあったのは,おそらくマビノギが最初だと思いますが,ちゃんとしたツールがなかったので,紙に座標を直接書いて制作していました。
 当時,頭のなかにたくさんアイデアはあったんですが,泣く泣くカットしたものもたくさんあります。

キム氏:
 あとは,ネットワーク環境も悪かったですね。演奏機能は長いと送信するのが難しく,なるべく短くしていました。戦闘のテンポが遅かったのも,ネットワークが理由です。
 なので,マビノギモバイルはリアルタイムで戦闘できるテンポのよいものになっています。

4Gamer:
 マビノギの戦闘は,当時のMMORPGとしてはよくできていたと思います。当時はいわゆる“クリックゲー”の時代でしたから。私はあの戦闘も好きでした。
 それだけに,マビノギモバイルでは戦闘システムがかなり変わったことに,少し驚きましたが。

キム氏:
 マビノギモバイルでは,いろいろなクラスで楽しめる戦闘に自信を持っているので,ぜひ体験していただきたいです。

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イ氏:
 とくに注目していただきたいのが,さまざまなモーションの打撃感ですね。斧で木を切るにしても,ただ斧を振るだけでなく,木に一度ひっかかってから切る。剣も敵に当たったら一度止まるような感覚があります。
 代表とはよく「ストリートファイター」などの対戦格闘ゲームを遊ぶので,打撃感の重要度はよく分かっています(笑)。

キム氏:
 ストリートファイターには,マビノギのころからアイデアをもらっていますね。

4Gamer:
 韓国の開発者の方って,打撃感にこだわりますよね。

イ氏:
 マビノギモバイルでは,クラスごとに武器が違って,それぞれの打撃感を楽しめるようになっています。

4Gamer:
 日本サービスでは,18のクラスが用意されるようですが,それだけあると「これはマビノギとしてはNG」という話が出てくることもあるのでは?

キム氏:
 いえ,どのクラスが必要なのか,クラスごとに絶対に入れなければならない要素はなんなのかは,全部私が案を出しています。そのほかは自由にどうぞ,と任せていますが(笑)。

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4Gamer:
 以前インタビューしたときに,マビノギにおける禁止事項をお話しされていましたよね。プレイヤーキャラが勝手にしゃべらないとか,待機中に勝手なポーズを取らないとか。
 韓国でマビノギモバイルのサービスを始めてから,逆に「この禁止事項はなくていいのではないか」と思ったことってありますか?
 プレイヤーの多くは若い層なわけですから,僕らが考えるようなこととは違う価値観があって,そこと競合しないのかなと。

キム氏:
 予想外のことはたくさん起きています。
 最近の若いプレイヤーの特徴として挙げられるのが,プレイ時間がどんどん短くなっていることです。昔は1回ゲームをつけたら何時間もやる人が多かったのですが,今はそれぐらい時間がかかると分かっているなら,最初からやらないことが選ばれます。
 ですから,我々としては,集中しなければならないもの,気軽にやれるものなど,いろいろなコンテンツを用意してはいますが,それでも皆さんからの反応が予想外なものになることはよくありますね。

4Gamer:
 そこのバランス取りって,かなり大変ではありませんか?

キム氏:
 本当に大変です。一番苦労していると言っても過言ではないと思います。
 例えば,あるプレイヤーは「時間がないからプレイ時間が短くなるようにしてほしい」と言いますが,あるプレイヤーは「もっと遊びたいのに,これしかないの?」と言います。長く楽しみたい人に向けて作ってしまうと,短時間がいい人は成長速度が違うから魅力を感じられません。かといって,差が出ないとやりこむ意味がなくなります。

イ氏:
 ストーリーの見せ方も悩みますね。マビノギモバイルはストーリーが大事なゲームですから,序盤はなるべくスキップできないようにしていました。しかし,いろいろな声をいただいて調整しています。我々は,マビノギモバイルをたくさんの方々に愛されるゲームにしたいので,常にプレイヤーの皆さんとコミュニケーションを取り続けています。

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4Gamer:
 バランスで気になっているのが,スマホゲームとしてのスピード感です。マビノギの原点にあるのはファンタジーライフ,あの世界での生活感だと思うのですが,それって昨今のテンポ重視のゲーム性とは相反するものでは?

キム氏:
 ファンタジーの世界に長くいることが,楽しむこととイコールだとは思っていません。マビノギモバイルの特徴は,いつでもどこでもつけられることです。このファンタジーの世界は,いつでも入れる身近なもの。「今からこの世界に入るぞ」という覚悟がいるものではないんです。
 我々が今生きている世界とファンタジー世界が,共存しているように感じていただけるのではないかと思います。

4Gamer:
 なるほど。気負わず入れるファンタジー世界,というのは素敵な立ち位置ですね。

キム氏:
 ですから,人との出会い方も気軽なものにしています。マビノギモバイルの方向性は,「君と君はこうやって会わなければならない」みたいなものではありません。人と人を無理やりくっつけるのではなく,同じ空間に自然に知らない人といることが,特別な感覚を生む。そういうシステムがいろいろなところに入っています。
 代表的なものはキャンプファイアですね。ほかにも,ダンジョンの途中で出会う偶然の出会い,知らない人たちとも行けるレイド,マイホームなどがあります。

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イ氏:
 人との出会いこそが,MMORPGの魅力ですよね。
 昔,売れていないMMORPGを遊んでいたとき,ゲーム自体は面白かったんですけど,ほかの人と会えなくてやめたことがあります。逆に人が多いところだと,人を見ているだけで楽しい。

キム氏:
 マビノギモバイルは,「このゲームを通じて友達を作ろう」だけでなく,人の温もりが感じられるゲームにしたかったんです。

イ氏:
 実際,SNSでプレイヤーの皆さんを見ていると,戦闘コンテンツではなく,コーディネートの大会とか,自分たちでルールを作って遊んでいる動画も多いんですよね。

4Gamer:
 戦闘は戦闘で気になっています。マビノギの戦闘は,とくに初期のバランスだと難しめでしたよね。メインストーリーで攻略必須のダンジョンの難度が高かったり。
 マビノギモバイルの戦闘は,かなり手軽になったように感じましたが,どういったものを目指しているのでしょうか。

キム氏:
 ダンジョンやレイドによって違います。難しいところは集中しないといけないし,かといってクリアしなければ楽しめないものでもありません。

イ氏:
 マビノギモバイルではPCでも遊べますが,もちろんスマートフォンでも快適にプレイできないといけませんから,どちらで遊んでもなるべく満足いただけるようなバランスで作っています。

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キム氏:
 マビノギモバイルほど,プレイヤーの幅が広いゲームはないと思います。初心者からハードコアまで対応していますから。私の母や娘もプレイしています。
 一方で,ランキングに載っているプレイヤーを見ると,恐ろしいほどの実力です。徹底的にダンジョンを分析して,数秒でも早くクリアしようとする人もいます。私の母のプレイしてる画面と比べたら,同じゲームとは思えません(笑)。

イ氏:
 お母さんでもランカーでも,いつでも一緒に出会えて楽しめるゲームを目指しています。

日本運営事業担当者:
 戦闘について補足しますと,メインストーリーはサクサク遊べます。一方で,ボスギミックが追加されるようなハードなダンジョンもあります。

4Gamer:
 それはよかった。20年以上が経った今でも,マビノギのG3で実装された当時の「バオル潜入ダンジョン」があまりに難しかったことを覚えています。優しい世界になりましたね(笑)。

イ氏:
 慣れていないと,街の近くの動物に殺されるゲームではありましたからね(笑)。
 目標としては,皆さんが馴染む場所にすることですね。馴染んでから,それぞれの目標や物語ができていくと思っています。

4Gamer:
 みんなが特別だと感じられる世界,というやつですね。

イ氏:
 誰1人失敗することなく,自分の物語を作っていけるようにしたいです。

4Gamer:
 自分の物語を作るにしても,なにを特別に感じるかは文化ごとに違うと思うのですがいかがでしょうか。

キム氏:
 違いはあると思います。マビノギでも経験したことですが,いろいろな国でサービスをしていると,やはりプレイスタイルが全然違うんです。ですから,その国にあったスタイルに調整していかなければなりません。

日本運営事業担当者:
 分かりやすいところでいくと,日本サービスではマイホームが最初から入っています。

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イ氏:
 日本では,1人でプレイしたいという人も多いのではないかと思っています。そうしたニーズを考慮して,アップデートをしていく予定です。1人でもみんなでも不便を感じないように。人に会うにしても,自然な出会いになるように。いつでも何人でもプレイできる環境を作っていこうと思っています。

キム氏:
 日本には,ゲームの世界観に入り込んで,二次創作を楽しむ方もたくさんいらっしゃいますから,そうした活動にも期待しています。

4Gamer:
 プレイしてみて気になっているのが,本作の画作りです。マビノギと同じ方向性に見えて,けっこう違いますよね。キャラクターの描き方とか。

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イ氏:
 そうですね。マビノギモバイルでは,2Dのポートレートを使っていません。キャラクターは,世界と自然に馴染むことが大事だと思いますから。そこで,キャラクターを拡大しても違和感がないよう,時間をかけて3Dモデルを制作しました。キャラクターたちを1つの空間に集めるだけで,イラストに見えるような一貫性を持たせています。

4Gamer:
 イラストを徹底的に使わないですよね。イメージアートですら,ゲーム画面っぽいテイストですし。

イ氏:
 はい。プロモーションイメージやバナーも,ゲーム内の画面を生かして作っています。

キム氏:
 試遊会でも感じたかもしれませんが,慣れているように見えて,独特な印象を受けたのではないでしょうか。言葉で説明するのは難しいけど,ただのアニメ調でもない絶妙な感じを探すのに時間がかかりました。
 そのために私達が一番悩んだのは,省略です。漫画の絵というのも,ある程度省略されているから感情移入できるところがあると思います。

イ氏:
 最近は,アニメ調のサブカルゲームが増えましたが,それらと並べてもマビノギモバイルの画作りは一目で分かる。そこは自信がありますし,重要視して開発しています。

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4Gamer:
 実際,独特ではありつつ,懐かしさも感じました。
 ただ,懐かしい一方で違和感を覚えたのが,街やダンジョンなど,いろいろなものの配置がまったく違っていたことです。あれはなぜなんです?

キム氏:
 理由はいくつかあります。まず,マビノギモバイルでは移動距離を縮めるために,街と街を近くする必要がありました。

イ氏:
 そのために,マビノギの位置関係を調整して,また,移動距離とかかかる時間を分析し,マップの果てから果てまで移動しても負担がかからないように考慮しています。

キム氏:
 マビノギだけでなく,マビノギ英雄伝などから採用されたマップもあるので,場所の調整が必要だったという理由もあります。
 それとストーリーが進むうえで,行けるところが増えますが,それは北に増えていく形にしたかったんです。新しいマップに行きたければ,とにかく北に向かえばいい。初心者であっても,そういうのが自然に分かる作りにしました。

4Gamer:
 そういう理由だったんですね。マビノギを知っているだけに,最初は戸惑いました(笑)。
 懐かしさという点で,もう1つ外せないのが音楽です。マビノギは,フィールドごと,NPCごとに音楽の違うゲームですから,曲数も多いと思うのですが,そのあたりマビノギモバイルではどうしているのでしょうか。

イ氏:
 吟遊詩人の歌を意味するマビノギですから,音楽は大切なものだと思っています。
 マビノギモバイルでは,もちろんマビノギにあったさまざまな曲が入っていますが,街ごとに代表する曲は,昼と夜でアレンジが変わるようになっています。昼の場合は活気が溢れるような,夜の場合は感情豊かな雰囲気が楽しめます。
 NPCはフルサイズではないですが,印象的なメロディをジングルにしています。ドアを開けたら鈴がなるように,歓迎してくれるような感覚を得られるはずです。

4Gamer:
 ジングルは,NPCごとに違うんですか?

イ氏:
 もちろんです。マビノギモバイルは,モバイルゲームである以上,サウンドオフでプレイされる方も多いと思いますが,皆さんがオンにしたくなるように作るのも我々の仕事です。

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4Gamer:
 ストーリー面についても教えてください。マビノギとは異なる展開になるようですが。

キム氏:
 最初プレイする際には,マビノギのプレイヤーだと「確かにこうだったな」と思うところがあると思います。
 進めていくと,マビノギから省略された部分も,追加された部分もあることに気付くはずです。

4Gamer:
 追加というのは,どういうものが?

キム氏:
 マビノギ当時は実現できなかったものが入っていますね。一番大きい変化は,ナオやタルラークが冒険に同行します。とくに,活動的なナオが見られるのは新鮮に感じていただけるのではないでしょうか。そして,メインストーリーが進めば進むほど,まったく違うマビノギモバイルならではの展開になっていきます。
 今目指しているのは,女神降臨のエンディングまで無事に終わらせることです。マビノギでは,すべてのストーリーを最後まで自分で見られなかったので,今回は作り上げたいと思っています。もちろん,その先も準備中です。

イ氏:
 私としても,マビノギ当時では実現できなかった演出や,描けなかったことがありましたので,全部お届けするつもりで作っています。ぜひご期待ください。

4Gamer:
 日本でのサービス開始を楽しみにしています。
 本日はありがとうございました。

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