なお,大幅にアップデートされた東京ゲームショウ2026の試遊版プレイレポートを掲載しているので,そちらも読んでほしい。
2027年前半のリリースに向け,大幅にアップデートされた「狐ト蛙ノ旅」プレイレポート。物語は,生活感がありすぎるアパートの一室から始まる[TGS2026]
東京ゲームショウ2026のroom6ブースに出展されている「狐ト蛙ノ旅 アダシノ島のコトロ鬼」は,闇に包まれる島に流れ着いたキツネの少女が,相棒のカエルとともに家に帰る方法を探すアドベンチャー。大幅にアップデートされたという試遊版のプレイレポートをお届けする。
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4Gamer:
お忙しいなかご対応いただいて,ありがとうございます。今回の試遊版では,物語の導入部分が追加されました。ものすごく現実的というか生活感があって,幻想的なアダシノ島の様子とのギャップみたいなものを感じたのですが,そういったところを狙ったのでしょうか。
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もちろんそれもありますが,「不思議な世界に迷い込んだ」というゲームにするためでもあります。キツネたちが住んでる世界から,急に不思議なところに行っちゃったよっていう感じを出すために,あのシーンは必要なんです。最初から不思議な世界だと,「なんでこれがこうなってるの?」といったところを,プレイヤーのみなさんに説明しないといけないですよね。
4Gamer:
あぁ,言われてみるとそうかもしれません。
リアス氏:
構想の最初の段階から,普通のすたれた現代の神社から不思議な世界に行くことは決まっていました。キツネたちもプレイヤーも初めて行くという同一の状態を作って没入感を出すために,あの形にさせてもらっています。
4Gamer:
試遊しているみなさんの反応はいかがですか?
リアス氏:
直接話を聞いているわけではないんですが,今回新たに入れた「カエルシュラン」,ごはんを食べると,カエルとキツネがコメントして星3つみたいなことを言うシーンがあるんですけれど,そこで笑ってる人がいて,うれしかったですね。
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4Gamer:
感情が動いているところを見ると,うれしいでしょうね。リアスさんは少し前,「マジでゲーム完成するんじゃねえかなという気持ちになってきた」とXでポストしていましたが,完成が見えなくなっていたような時期があったんでしょうか。
リアス氏:
いえ,そうではないんです。構想を含めると10年近く作っているので,本当に形になってきたぞっていう意味で,あれをポストしました。
こういうゲームが作りたいと言い出して,room6さんとも,「こういうのがいい」っていうやりとりを繰り返して。ディレクターをするのは今回が初めてなので,膨大な量の背景も,プログラミングも,音楽も全部ですけど,いろんな人に助けてもらって,本当にできるんだって実感が湧いてきたんです。
4Gamer:
開発の日々がずっと続くような感覚になっていたんですか。
リアス氏:
作ってるのが人生だみたいな感じになってたんですけど,それが「あ,これ終わるんだ」って。しかも最近は完成に近づいてきて,自分でプレイして「おもしろいな」と思うようにもなりました。
4Gamer:
気持ちに変化が出てきたんですね。発売時期が2027年前半に延びたのも,そのあたりが関係していますか。
リアス氏:
もうちょっとクオリティを上げたいんです。背景がどんどん描き上がって,キャラクターをどんどん動かして,イベントもどんどん組み込んでいくと,本編だけじゃなくて,サブイベントも面白くなってきて。それも含めてちゃんとデバッグしようと思ったら,さすがに今年は無理だねと。
4Gamer:
10年間のなかで,いちばん時間をかけた部分はどこでしょうか。
リアス氏:
どこだろう……ラスボスかな。ラスボス周りはものすごく時間をかけました。モデリングも,モーションもそうですし,演出とかゲーム部分についても頑張って作りました。最後まで行かないと見れないんですけど,プレイヤーのみなさんには頑張ってほしいですね,ぜひ。
4Gamer:
素人考えになりますが,島の風景をはじめとする絵を作り込む作業も,相当大変だったのではないかと思うのですが。
リアス氏:
そこはむしろ楽しかったぐらいです。もちろん100枚以上あるので大変でしたけど,もともとは背景の人間ですし,いちばん自分の力を出せるところでありますから。そもそも,「この世界観を自分の中から出したい」というところからゲームを作り始めたので,楽しかったですね。
4Gamer:
アダシノ島の雰囲気や街並みは,和風ではありますけど,でも僕らが知っている和風,日本とはちょっと違いますよね。あの世界を作るうえで,方向性というか,リアスさんの中で決めていることはあるのでしょうか。
リアス氏:
7,8年ぐらい前に,ただの構想ではなくもうちょっと形にしていこうとなったときに,モチーフとして想定していたのは,個人的にもすごく好きな,日本の大正時代の建築物とか昭和の建築物ですね。今はもうほとんど残っていませんが,看板建築っていう,普通の日本家屋の前に看板を立てたようなハリボテの建築物が多かったんです。それ自体がもう面白いんですよ。
ほかにも,現代の人がその時代に行ったら,ディズニーランドに行ったような不思議な気持ちになる建物がいっぱい建ってた時期があるんです。和洋折衷で,海外の建物を日本の職人たちが作ったらこうなりました,みたいな。
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4Gamer:
もっとリアスさんの創造によるところが多いのかと思っていたんですが,歴史のなかにモチーフがあるんですね。
リアス氏:
基本的に,ゲームの中でファンタジーはほぼ描いてないんです。和洋折衷の擬洋風っていわれる建物などは,むしろそれだけでファンタジーになると思います。
それと,僕は伏見稲荷がすごく好きで,鳥居がいっぱい立ってたらそこを通るだけで美しい,面白いって思うんです。
そういったものが合体して,これまでの日本文化のなかにある建物をたくさん上に積み重ねたら,みんなが見たことがない形が作れるんじゃないかとか,そういうところが発想のベースにあるかなとは思ってます。
4Gamer:
なんとなく現実世界とつながっているんですね。さきほどroom6の方から,リアスさんは,そういった建物がなくなりつつあることをすごく残念がっていたという話を聞きました。何らかの形で残しておきたい思いはありますか?
リアス氏:
あると思います。東京でも昔の飲み屋街ってどんどんなくなってるじゃないですか。本当にこの雰囲気がなくなってしまうのかっていう気持ちはありますね。築地もなくなる前に行きましたけど,面白かったですね。
4Gamer:
島の街並みだけでなく,キャラクターも特徴的ですよね。なかでも灯台様はインパクトがあります。
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リアス氏:
灯台様は,日本の伝統を取り入れながら,なんかいろんなものがワサワサニョキニョキ出ていて,ちょっと怖くて,でも神々しい感じもあるような……というイメージですね。千手観音的な雰囲気がありつつ,でも完全に千手観音ではない,作り物の雰囲気。
4Gamer:
そのあたりの作り方は,街並みと共通する部分もありそうですね。
さきほど,試遊した方が笑っているのを見てうれしかったという話がありましたが,島に不穏な雰囲気があったり,鬼に追いかけられたりといった要素もありつつ,笑える場面を用意しておきたいところはありますか。
リアス氏:
それはめっちゃあります。「怖いのがちょっとありつつ,基本は面白い」でいたいところがあって。「このゲームの雰囲気は好きだけど,ホラーだからあまりやりたくない」っていう人が出ないようにしたいです。
めちゃくちゃ怖いわけじゃなくて,日本のちょっとおどろおどろしい感じがありつつ,基本はキツネとカエルが楽しく進んでいくゲームって思ってもらえるといいですね。
4Gamer:
素朴な疑問になりますが,キツネとカエルはお友達ですか。
リアス氏:
カエルは,キツネの神社の井戸に勝手に住んでるっていう感じですね。キツネがぐうたらしてるのを横でなんか言ってるみたいな関係。
4Gamer:
カエルは割としっかりしてるんだなって思いました。キツネのアパートの電気代を気にしてますし。
リアス氏:
まともなことを言いたがるタイプですね。
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4Gamer:
あんな感じで,島での冒険もにぎやかに進んでいくわけですね。
リアス氏:
(やや目を伏せながら)……そうなるといいですね。
4Gamer:
な,なるほど。一度鬼に食べられても無事だったので安心していたんですが……そのあたりは気にかけておきたいです。
ではキツネの話に行きましょう。自分の神社があるのに,その隣のアパートに住んでるっていう設定が妙に面白かったんですが,あれはどんなところから生まれたんでしょうか。
リアス氏:
やっぱり神社に住むというのは,プレイヤーが想像しづらいなと思っていて。
アパートが建っているところは,昔,神社の土地だったんでしょうね。お賽銭の収入だけだと,普通アパートには住めませんけど,そういう縁があったから,大家さんも大目に見てくれていて,家賃をちょっと免除してもらってるんじゃないかとか。
4Gamer:
確かに,そういう話になると,現実味が出てきますね。
ではお時間もないようなので,本作を待っているファンのみなさんへの言葉をお願いします。
リアス氏:
本当に長い間待っていただいているので,申し訳なさとうれしさの両方がありつつ,でもあくまで自分が作りたくて,自分がおもしろいと思うものを仕上げて,みなさんにプレイしていただきたいです。それがroom6のまさしさん(木村征史氏)との約束でもあるので。ちゃんとおもしろくて世界観を楽しめるようなものができてると思いますので,もう少し待っていただけるとうれしいです。
4Gamer:
ありがとうございました。




















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