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本作は,「Kingdom Come: Deliverance」のミニゲームとしても知られる古典ダイスゲーム「Farkle(ファークル)」をベースに,「Balatro」などのローグライク要素を融合させたダイスビルドゲームだ。
北境の村で育ち「ダイス・タバーン」を開店した少女・エレナをはじめとする個性豊かなキャラクターたちが,王都を目指して6つの酒場と30人の強敵に挑むというストーリーが描かれる。
正式版では,全35種類のダイスや11人のプレイアブルキャラ,全43種類のシナジー,そしてゲームルールそのものを拡張する全15段階の「勅令」など膨大な要素が登場。運任せだったダイスゲームに深い戦略性と圧倒的なスケール感をプラスし,スリリングかつ爽快な勝負が楽しめる作品となっている。
本稿では,配信中の体験版をベースに,ダイスデッキの構築やイカサマを駆使して勝ち抜くゲームプレイの感触をお伝えしたい。
そもそも「Farkle」とはどんなゲームなのか?
そもそも「Farkle」という名前に聞き覚えのない読者も多いだろう。Farkleは1600年頃,フランスの帆船によってアメリカ大陸へ持ち込まれ普及したとされる歴史あるダイスゲームだ。
基本ルールは,複数のプレイヤーが順番に6つのダイスを振り,出目や役(組み合わせ)に応じた得点を稼いで,目標スコアの先着を目指すというもの。
最大の特徴は,役が成立したダイスを確定させて得点を「バンク(保管)」するか,その得点を保留したまま残りのダイスを振り直して(リロール),さらなる役を狙うかを選べる点にある。
いくら高得点が出てもバンクしなければ確定せず,リロールして役が一つも成立しなかった場合は「Farkle(無得点)」となって保留中の点数をすべて失う。この引き際の見極めこそが,Farkleの醍醐味だ。
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ゲーム内には丁寧なチュートリアルが用意されているため,未経験者でもすんなり理解できるはずだ。とはいえ,どこまで突っ張るかという押し引きの感覚は,実際に体験してみるのが一番だろう。
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イカサマもシナジーもやりたい放題! 無限の可能性を秘めたローグライク・ダイスビルド
本作がユニークなのは,Farkleのルールをベースに,ダイスデッキ構築やイカサマアイテムといったローグライク要素を大胆に取り入れている点だ。
プレイヤーは固有能力や異なる初期ルールを持つ全11人(体験版では3人)のキャラクターから選択し,6つの酒場で特殊ルールを持つ30人の強敵に挑む。
通常ルールと異なり,交互にダイスを振り合うのではなく,「指定ラウンド以内に対戦相手の提示スコアを達成できるか」を競う。ローグライクらしく一度でも目標未達になればゲームオーバーで,資産の引き継ぎはない。
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本作の要となるビルド要素は,「ダイス」「バッジ」「細工(パーツ・コーティング)」「アイテム・消耗品」の4本柱で成り立っている。
デッキの主役となるダイスは全35種類(体験版時点では29種類)。特定ナンバーが出やすい偏重ダイスだけでなく,直前ロールと同じ目が出るもの,直前ロールの目を+1/−1するものなど,トリッキーなものもそろう。
特定の組み合わせで発動する「シナジー」は全43種類にも及び,「天国の騎士」「成り上がり」「悪魔王朝」といった強力なビルドで得点倍率の爆発的向上やルール改変などの恩恵を得られる。
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そしてビルドの方向性を決定づけるのが,最大5個まで装備できる「バッジ」だ。特定役の点数底上げやリロール時のボーナス,バンク時の倍率強化など強烈なパッシブ効果を持ち,ダイスのシナジーと合わさることで爆発的なスコアを叩き出せる。手に入ったバッジに合わせてダイス構成をアジャストしていくのがセオリーだ。
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さらに,ダイス自体を物理的に改造するイカサマ要素「カスタムパーツ」と「コーティング」も用意されている。出目の確率を偏らせる鉛の仕込みや,特定の出目が出た際にボーナスを付与する加工が可能だ。対戦中に使用できるアクティブアイテムや消耗品も含め,勝負を有利に進める手段は多岐にわたる。
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これら各種アイテムは酒場のショップで購入するが,資金源は対戦相手を撃破した際の賞金に限られる。再戦による金稼ぎはできず,ショップの品揃え更新(リフレッシュ)にも費用がかさむため,限られた予算と運のなかで,いかに理想のビルドへ近づけるかが腕の見せどころだ。
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堅実な「一点至上」デッキで酒場を席巻! 立ちはだかる天敵ボスと手痛い洗礼
さっそく初期キャラクターの旅人を選び,体験版の攻略を開始した。
ステージ1にあたる「田舎酒場」は目標スコアが低く,チュートリアル感覚で余裕のストレート勝ち。酒場クリア時に現れる行商人の誘いに乗り,次ステージの持ち時間(ラウンド数)が減少するデメリットと引き換えにバッジを入手して先へと進んだ。
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しかし,続くステージ2「町の酒場」から難度が急上昇する。下っ端ですら第1ステージのボス並みの目標スコアを要求してくるうえ,全員が厄介な特殊能力持ち。シナジーを意識せず適当にパーツをつまんでいた筆者は,ボスの要求する8000点に届かずあっさり敗北を喫してしまった。
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ここで真剣にデッキ構築を練り直し,たどり着いたのが「一点至上」デッキだ。「1」の出目得点を300点にするバッジ「一点至上」を主軸に据え,1が出やすい「小幸運ダイス」「布巻きダイス」「ミニダイス」を集中採用。基本方針は極めてシンプルで,ロールして1が出たらキープし,残りのダイスで再び1を狙う。
リロールのたびに点数や倍率が加算されるバッジ「手慣らし」「連撃狂熱」も併用することで,安全かつ爆発的に得点を伸ばせる堅実なビルドだ。
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この堅実なビルドによって「町の酒場」を突破し,続くステージ3「都市の酒場」も順調に進撃できた。だが,そのボスの前で絶望を味わうことになる。
ボスの城下町酒場主人が持つスキルは,単独ダイスの得点を半減させる「単騎半減」。1の目を単独で積み上げる一点至上デッキにとって,これ以上ない天敵だったのだ。為す術もなく連敗を喫し,筆者は根本的なデッキの再構築を迫られることとなった。
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常識を覆す連鎖倍率! ハイリスク・ハイリターンのギャンブルデッキへ昇華
天敵を打ち破るべく,勝敗度外視で研究を重ねてたどり着いた答え――それが,Farkleの常識を根底から覆す「単独得点連鎖」デッキだ。
本来のFarkleは役になったダイスしかロックできないが,バッジ「単独得点連鎖」を装備すると,通常は役にならない出目でもロック可能になる。1をロックした後にリロールして2,さらにリロールして3,4,5,6と連続した出目を順番にロックしていくことで,得点倍率が飛躍的に跳ね上がる仕組みだ。
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狙った出目を連続で引く必要があるため,一見無謀な賭けに見えるが,イカサマダイスと改造パーツを組み合わせれば現実的な戦術へと昇華する。
筆者は1から6の目が出やすい各種ダイス(黒布,イカサマ,三三,厄運,小幸運,ミニ)を揃え,それぞれに「加重鉛」を施して狙った出目の確率を底上げした。
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このデッキを完成させるには潤沢な資金が不可欠であり,初期所持金が多い「農夫」を選択。序盤は手堅い「一点至上」で資金を稼ぎ,道中のショップで必要パーツを揃えながら,徐々に「単独得点連鎖」へシフトしていく育成計画を立てた。
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事故率を極力減らしたとはいえ,この連鎖デッキは常にバーストと背中合わせのハイリスク・ハイリターン。しかし,出目が噛み合ったときの爆発力は凄まじく,天敵ボスの目標スコアを一瞬で吹き飛ばすほどのオーバーキルを叩き出せる。
何度かの敗北を乗り越え,ついに城下町の酒場主人を撃破。体験版のラストを華々しい勝利で飾ることができた。
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広がるビルドの可能性。自分だけの最強コンボを突き詰めろ
体験版を隅々まで遊び尽くしたものの,筆者が到達した領域はまだ序の口に過ぎない。Steamストアページのトレイラーでは,一撃700万点という驚異的なスコアが紹介されており,ランキング上位のプレイヤーたちも想像を絶する高スコアを記録している。
正式版では,全35種類のダイスや全43種類のシナジーに加え,クリア後(2周目)に解禁される全15段階の新ルールシステム「勅令」が登場。さらに,ランダム生成された特定の状況からクリアを目指す残局モード「終盤チャレンジ」も追加される。あらかじめ用意された手札や厳しい制限・状況を見極め,その場に応じた最善の手を打っていく高難度な対局となっており,非常に歯ごたえのある挑戦を楽しめるはずだ。
また,本作はSteam Deckにも完全対応しているため,外出先でも手軽にダイス勝負を楽しめるのも嬉しいポイントだ。
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「ダイス・タバーン:運命の一投」は,対人戦の心理戦を楽しむ従来のFarkleとは異なり,シナジーを論理的に組み立ててハイスコアを目指す“TCGのデッキ構築”に近いプレイフィールを持っている。
理詰めで作り上げたデッキにダイスの気まぐれな運が絡み合うことで,思い通りにいかないもどかしさと,狙い通りのコンボが炸裂したときのカタルシスが絶妙なバランスで共存している。
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ローグライクやデッキ構築型ゲームが好きなプレイヤーはもちろん,スリリングなギャンブル性を好む人にも強く刺さるはずだ。まずは現在配信中の体験版をダウンロードし,イカサマと知略が渦巻くダイスバトルの熱気に触れてみてほしい。
なお,リリース日の9月8日10:00から9月22日2:00まで,リリース記念セールが実施される。通常価格1500円(税込)の本作を1200円で入手できるので,お見逃しなく。































































